ふるさと納税の控除を受ける方法は、ワンストップ特例と確定申告の2つです。1年間の寄附先が5団体以内で、ふるさと納税以外に確定申告をする予定がない会社員などは、寄附先に申請書を出すだけのワンストップ特例が手軽です。6団体以上に寄附した人や、医療費控除などで確定申告をする人は、確定申告でふるさと納税の分も申告します。どちらの方法でも、控除される金額の合計はほぼ同じです。

ワンストップ特例と確定申告、どっちを使う?

次の3つの質問に答えると、自分が使う方法が分かります。

Q1 1年間にふるさと納税をした自治体は5団体以内か、いいえなら確定申告。Q2 ふるさと納税以外の理由で確定申告をする・必要があるか、はいなら確定申告。Q3 寄附した翌年の1月10日までに申請書を提出できるか、いいえなら確定申告、はいならワンストップ特例。どちらでも控除される金額の合計はほぼ同じ
ワンストップ特例と確定申告の選び方(模式図)。画像を選ぶと拡大できます。
ワンストップ特例確定申告
使える人確定申告をする必要がない会社員などで、寄附先が5団体以内の人誰でも使える
手続き寄附ごとに、寄附先の自治体へ申請書を提出翌年の確定申告で、寄附金控除として申告
期限寄附した翌年の1月10日(必着)翌年の2月16日〜3月15日
控除のされ方全額が翌年度の住民税から控除所得税(還付)と翌年度の住民税から控除

自分がどちらを使うかは、ふるさと納税 ワンストップ・確定申告 判定ツールで質問に答えて確認できます。副業の所得で確定申告が必要かどうかは、副業の確定申告 判定ツールで確認できます。

ワンストップ特例制度とは

ワンストップ特例制度は、確定申告をする必要がない会社員などが、寄附先の自治体に申請書を出すことで、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除を受けられる制度です。次の2つの条件を両方満たす必要があります。

  • 確定申告をする必要がなく、確定申告をしない:年末調整を受けている会社員などが対象です。給与の年収が2,000万円を超える人や、副業などの所得が20万円を超える人のように、確定申告が必要な人は使えません。医療費控除や住宅ローン控除の1年目などで確定申告をする人も使えません。
  • 1年間(1月〜12月)の寄附先が5団体以内:数えるのは自治体の数で、寄附の回数ではありません。同じ自治体に3回寄附しても1団体です。

ワンストップ特例を使うと、所得税からの控除(還付)はなく、所得税で控除されるはずだった分も含めて、全額が寄附した翌年の6月以降に納める住民税から控除されます。

ワンストップ特例の申請のやり方

  1. 申請書を用意する:「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」(ワンストップ特例申請書)は、寄附の手続きの後に自治体から届くことが多く、自治体のホームページからもダウンロードできます。ポータルサイトで寄附する場合は、寄附の手続きの中で申請書の送付を希望できることもあります。
  2. 申請書を記入し、本人確認書類を添付する:マイナンバー(個人番号)を確認できる書類と、身元を確認できる書類が必要です。マイナンバーカードがあれば、表面と裏面のコピーで両方を満たせます。
  3. 寄附した翌年の1月10日までに届くように提出する:寄附ごとに、寄附先の自治体へ提出します。同じ自治体に複数回寄附した場合も、その都度提出が必要です。

自治体によっては、マイナンバーカードを使ったオンライン申請もできます。スマートフォンのアプリなどから申請でき、郵送や書類のコピーが不要になります。対応しているかは、寄附先の自治体やポータルサイトで確認してください。

申請した後に住所や氏名が変わったら

申請書を出した後に引っ越しや結婚で住所・氏名が変わった場合は、寄附した翌年の1月10日までに、申請書を出した自治体へ「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を提出します。翌年1月1日の住所が申請書の住所と違ったままだと、ワンストップ特例が適用されないことがあります。

ふるさと納税の確定申告のやり方

  1. 寄附を証明する書類を用意する:寄附先の自治体が発行する「寄附金受領証明書」を寄附ごとに用意します。ふるさと納税のポータルサイトによっては、1年間の寄附をまとめた「寄附金控除に関する証明書」(年間寄附額の証明書)を発行していて、受領証明書の代わりに使えます。
  2. 確定申告書を作成する:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、所得控除の「寄附金控除」に寄附先と金額を入力します。マイナポータル連携を使うと、対応している自治体やポータルサイトの証明書データを取り込んで自動で入力できます。
  3. 翌年の2月16日〜3月15日に提出する:e-Taxで送信するか、印刷して税務署に提出します。期限が土日祝日の場合は、次の平日までです。

確定申告をすると、所得税の控除分は還付され、残りは翌年度の住民税から控除されます。住民税の控除は、確定申告の内容が税務署から市区町村に送られて反映されるため、住民税の申告を別にする必要はありません。

マイナポータル連携で、ポータルサイトの証明書と自治体の証明書の両方を取り込むと、同じ寄附が二重に入力されることがあります。入力後に、寄附の件数と金額が実際と合っているか確認してください。

ワンストップ特例が無効になるケース

ワンストップ特例を申請していても、次の場合は申請した寄附も含めて特例が使えなくなります。控除を受けるには、すべてのふるさと納税を確定申告で申告する必要があります。

  • 確定申告や住民税の申告をした:医療費控除などで確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はなかったことになります。確定申告書には、ワンストップ特例を申請した寄附も含めて、すべての寄附を入力してください。
  • 寄附先が6団体以上になった:5団体分の申請が済んでいても、6団体目に寄附した時点で全体が対象外になります。
  • 住所が変わったのに変更届出書を出していない:申請書の住所と、寄附した翌年1月1日の住所が違うと、適用されないことがあります。

「ワンストップ特例を申請したから大丈夫」と思って確定申告で寄附を入れ忘れると、ふるさと納税の控除がまったく受けられないことがあります。最も多い失敗なので注意してください。国税庁の確定申告特集ページの「ワンストップ特例の適用確認シート」でも、特例が使えるか確認できます。

期限に間に合わない・6団体以上になったとき

  • 1月10日までに申請書を出せなかった:その寄附はワンストップ特例の対象になりません。確定申告ですべての寄附を申告すれば、控除を受けられます。期限が土日祝日にあたる年の取り扱いは、寄附先の自治体に確認してください。
  • 寄附先が6団体以上になった:確定申告ですべての寄附を申告します。
  • 確定申告の期限も過ぎてしまった:ほかに確定申告をする必要がなく、税金が戻る申告(還付申告)なら、寄附した翌年の1月1日から5年間提出できます。ただし、もともと確定申告が必要な人は期限があるため、早めに税務署へ相談してください。

寄附から控除までのスケジュール

2026年(令和8年)に寄附した場合の流れです。

時期ワンストップ特例の場合確定申告の場合
2026年1月〜12月ふるさと納税をする(5団体以内かどうかは、この1年間で数える)
2027年1月10日まで申請書・変更届出書が寄附先に届くように提出—
2027年2月16日〜3月15日—確定申告をする(所得税の控除分はその後還付される)
2027年5月〜6月住民税の決定通知書が届く。6月から住民税が控除された額になる

控除がきちんと反映されたかは、住民税の決定通知書で確認できます。見るべき欄と控除額の目安は、ふるさと納税が住民税に反映されているか確認する方法で解説しています。

この記事は、総務省のふるさと納税ポータルサイト、国税庁の「ふるさと納税をされた方へ」、各自治体のワンストップ特例の案内をもとにしています。申請書の様式や提出先、オンライン申請の対応状況は自治体によって異なるため、寄附先の案内も確認してください。